LEV-1とLEV-2の違いは役割分担にある|月面で連携した2機の仕組みが見える!

LEV-1とLEV-2の違いは役割分担にある|月面で連携した2機の仕組みが見える!
LEV-1とLEV-2の違いは役割分担にある|月面で連携した2機の仕組みが見える!
日本の月探査と未来

小型月着陸実証機SLIMとともに月へ向かったLEV-1とLEV-2は、どちらも月面を自律的に移動する小型ロボットですが、機体の形や動き方だけでなく、ミッションの中で受け持った仕事にも明確な違いがあります。

LEV-1は跳躍しながら月面を移動し、観測や技術実証を行う一方で、月から地球へ直接データを送る通信拠点として機能し、LEV-2が撮影した画像を地上へ届ける中継役も担当しました。

LEV-2は愛称をSORA-Qといい、球体に近い収納状態から車輪を備えた走行形態へ変形し、自らSLIMを探して撮影し、限られた通信量の中で送る画像を選ぶ撮影担当として設計されています。

2機は競い合う同型機ではなく、移動、撮影、判断、通信という機能を分担して一つの探査システムを構成しており、それぞれの違いを理解すると、なぜ小さなロボットを2台送り込む必要があったのかも見えてきます。

LEV-1とLEV-2の違いは役割分担にある

LEV-1とLEV-2の違いを端的に表すなら、LEV-1は月面を跳びながら観測し、地球との通信を担う探査機であり、LEV-2は月面を車輪で移動してSLIMを撮影する超小型ロボットです。

LEV-2が集めた画像や動作データはLEV-1へ近距離無線で送られ、LEV-1から地球へ転送されたため、写真を撮る機体と長距離通信を行う機体が協力して初めてミッションが成立しました。

宇宙科学研究所が公開しているLEV-1とLEV-2の活動記録でも、両機が自律移動やロボット間通信を実施し、SLIMを経由せずにデータを地球へ届けたことが紹介されています。

比較表で見る違い

最初に押さえたいのは、LEV-1とLEV-2は同じ仕事を二重に行う予備機ではなく、得意分野の異なるロボットを組み合わせたチームだったという点です。

LEV-1は約2.1キログラムの機体に跳躍機構、カメラ、太陽電池、地球との通信装置などを備え、LEV-2は最終的な公表仕様で質量228グラムという小さな機体に変形機構、二つのカメラ、画像処理機能を凝縮していました。

比較項目 LEV-1 LEV-2
主な役割 観測と通信中継 移動と撮影
移動方式 ばねによる跳躍 二輪走行
地球との通信 直接通信が可能 LEV-1を経由
質量 約2.1キログラム 228グラム
特徴的な機構 一輪と跳躍用の脚 球体から変形
愛称 一般的な愛称なし SORA-Q

比較するとLEV-1の方が大きく多機能ですが、LEV-2は単なる小型版ではなく、限られた電力と通信環境の中でSLIMを発見して画像を残すことに特化した設計だと分かります。

なおLEV-2の質量は初期資料で約250グラムと記載される場合もありますが、現在のJAXA公式仕様では228グラムとされているため、資料の作成時期による表記差に注意が必要です。

LEV-1の主な役割

LEV-1の役割は、月面を跳躍して移動する技術を試すこと、周辺環境を観測すること、取得したデータを地球へ直接送ること、LEV-2から受け取ったデータを代理送信することの四つに整理できます。

特に重要なのが通信機能で、LEV-1はSLIM本体を経由せずに月から地球へ電波を届けられるため、着陸機の姿勢や通信状態に問題が起きた場合でも、独立した経路から探査結果を受け取れる可能性がありました。

実際の着陸ではSLIMが当初想定とは異なる姿勢で静止しましたが、LEV-2がその様子を撮影し、LEV-1が地球へ送信したことで、地上の管制チームは着陸後の状態を外側から確認できました。

LEV-1は通信専用装置ではなく、自分自身もカメラ画像を処理して跳ぶ方向を判断し、一つの大きな車輪を回して姿勢や方位を調整する自律探査ローバである点が、単純な中継器との大きな違いです。

LEV-2の主な役割

LEV-2の中心的な役割は、月面へ降りた後に自動で展開し、車輪で周辺を移動しながらSLIMを見つけ、着陸機の状態や周囲の地形をカメラで記録することでした。

地球から細かな運転指示を受ける方式では通信に時間と電力が必要になるため、LEV-2は自分で画像を処理し、SLIMらしい物体が写っている方向を判断して行動する完全自律型のロボットとして作られています。

撮影した画像をすべて地球へ送る余裕はなかったため、LEV-2は複数の候補からSLIMが適切に写っている画像を自動で選び、走行データとともにLEV-1へ送信する機能も備えていました。

つまりLEV-2はカメラを搭載した小さなラジコンではなく、展開、移動、対象物の認識、撮影、画像選別、送信までを人の指示なしで進める探査システムであり、撮影担当という言葉以上に高度な判断を担っています。

移動方法の違い

LEV-1は大きなばねの力で機体を地面から押し出すホッピング方式を採用し、LEV-2は左右の車輪を動かして地表を走る方式を採用しているため、2機は月面への接し方から異なります。

月面の重力は地球より小さいので、跳躍方式には一度の動作で比較的大きく移動できる利点があり、柔らかな砂や小さな岩がある場所でも、車輪だけに頼らず進める可能性があります。

一方のLEV-2は小さな車輪を単純に回すだけでは砂へ沈みやすいため、車輪の中心をずらして回転させる偏心機構を採用し、左右の動かし方を変えることで直進だけでなく旋回もできるように設計されました。

LEV-1は広めの範囲を跳びながら探査する技術の実証に向き、LEV-2はSLIMの周囲で方向を調整しながら撮影位置を選ぶ仕事に向くため、移動方式の違いは各機の役割に合わせた合理的な選択です。

通信経路の違い

通信の違いを理解するには、LEV-2から地球へ画像が直接送られたわけではなく、LEV-1が間に入ったことを押さえる必要があります。

LEV-2は機体を小さく軽くすることが優先されたため、大きなアンテナや長距離通信用の装置を持たず、近距離にいるLEV-1へBluetoothを利用してデータを渡す仕組みが選ばれました。

  • LEV-2がSLIMを撮影する
  • LEV-2が送信画像を選ぶ
  • LEV-2からLEV-1へ送る
  • LEV-1がデータを受け取る
  • LEV-1が地球へ直接送信する

この流れによってLEV-2は撮影や移動へ限られた資源を集中でき、LEV-1は長距離通信の負担をまとめて引き受けられるため、2機全体として効率の良い構成になりました。

ただしロボット同士が通信できる距離には限界があり、LEV-2がLEV-1から離れすぎるとデータを渡せなくなる可能性があるため、自由にどこまでも走れる探査機ではなかった点にも注意が必要です。

サイズに表れた設計思想

LEV-1が約2.1キログラムであるのに対し、LEV-2は228グラムという大きな質量差があり、この違いは単純な性能差ではなく、搭載する機能と探査方法の違いから生まれています。

LEV-1には跳躍用のばね、一つの大きな車輪、太陽電池、複数の通信機、観測機器などが必要であり、月から地球まで約38万キロメートルの距離を直接通信するための能力も組み込まれました。

LEV-2は打ち上げ時やSLIMへの搭載時には直径約8センチメートルの球体に近い形へ収まり、月面到達後に左右の車輪やカメラ部分、姿勢を支える部品を展開することで、小さな収納容積と走行機能を両立しています。

JAXA宇宙探査イノベーションハブの仕様情報では、LEV-2の展開後サイズが幅約123ミリメートル、高さ90ミリメートル、奥行135ミリメートルと示されており、手のひらに近い大きさへ機能が凝縮されていたことが分かります。

2機で達成した成果

LEV-1とLEV-2は、それぞれの機体が単独で技術実証に成功しただけでなく、異なるロボットが月面で情報を受け渡し、地球まで届ける一連の連携を実現した点に大きな価値があります。

LEV-1は月面で7回の跳躍移動を行い、LEV-2の画像を受け取って地球へ送信し、LEV-2は自律的にSLIMを認識して撮影したため、人がリアルタイムで操縦しなくても複数機が役割を果たせることが示されました。

JAXAはこの成果について、日本初の月面探査ロボット、世界初の完全自律ロボットによる月面探査、世界初の複数ロボットによる同時月面探査、世界初の月面ロボット間通信などにつながったとしています。

これらの表現は一つの機体だけの功績として捉えるより、LEV-2が撮影し、LEV-1が受信して地球へ送るという分担を含むシステム全体の成果として理解する方が、実際のミッションに近い見方です。

LEV-1が担った月面中継の仕組み

LEV-1は写真で見ると一輪と脚を持つ独特な探査ローバですが、ミッション全体では月面の観測機であると同時に、LEV-2と地球を結ぶ通信拠点として重要な位置を占めていました。

小型ロボットに移動、撮影、判断、長距離通信のすべてを詰め込むと質量や電力の負担が大きくなるため、LEV-1へ通信機能を集約し、LEV-2には近距離通信だけを持たせる分担が採用されました。

LEV-1開発チームへのJAXAのインタビューでは、ホッピング機構、自律判断、月から地球への直接通信、他のロボットのデータを代理送信する機能が詳しく紹介されています。

地球との直接通信

LEV-1はS帯とUHF帯の通信機を搭載し、SLIMを経由せずに機体の状態や観測結果を地球へ送れるように作られていました。

S帯は地上局でデータを受信する主要な経路として使われ、UHF帯はアマチュア無線の周波数帯を利用したアウトリーチ活動にも使われたため、目的の異なる通信手段を一台の小型ローバが備えていました。

通信要素 役割 特徴
S帯 地上局へのデータ送信 主要な通信経路
UHF帯 電波の送信 アマチュア無線でも受信
Bluetooth LEV-2との通信 近距離のデータ受け渡し
通信中継 画像の代理送信 SLIMを経由しない

月面から地球へ直接通信できる機能があったことで、LEV-1は着陸機の付属装置にとどまらず、分離後に独立して動作する一つの宇宙機として扱える設計になっていました。

通信速度や送れるデータ量には厳しい制約があったため、高画質な画像を大量に転送する用途には向かず、限られた時間の中で重要度の高い情報を選び、確実に届けることが優先されています。

ホッピング移動

LEV-1のホッピングは車輪で助走して飛ぶ仕組みではなく、機体内部のばねを使って地面を蹴り、一つの車輪で姿勢や跳ぶ方向を調整する方式です。

跳躍後に予定外の向きで着地しても、車輪を回転させて機体の姿勢を変え、再び跳べる状態へ戻すことを想定しており、表裏が明確な一般的な四輪ローバとは異なる考え方で設計されました。

LEV-1は搭載カメラの画像を機体内で処理し、進む方向を自ら判断できるため、地球から一回ずつ移動命令を送らなくても、姿勢調整から方位の決定、跳躍までを連続して実行できます。

実際の月面活動では7回のホッピングが確認され、低重力環境で跳躍型ローバが移動できることを実証したため、車輪では進みにくい起伏や砂地を探査する技術の選択肢を広げました。

自律運用の流れ

LEV-1はSLIMから分離された後に地上の操縦者が姿勢を見て指示を出す方式ではなく、あらかじめ組み込まれた判断手順に従い、自分で活動を進めるように設計されていました。

月と地球の間では通信に時間差があり、受信できる時間や電力量にも限界があるため、小さなロボットほど地上からの連続操縦に頼らない仕組みが重要になります。

  • SLIMから分離する
  • 月面へ自由落下する
  • 着地後の姿勢を確認する
  • 車輪で向きを調整する
  • ばねを使って跳躍する
  • 画像や温度を記録する
  • LEV-2のデータを受信する
  • 地球へ情報を送信する

この一連の処理を地球からのコマンドなしで実施したことにより、通信が途切れやすい場所でも、ロボット側が判断して最低限の探査成果を残せる可能性が示されました。

一方で自律運用では、想定外の地形や故障に人がすぐ介入できないため、異常を検知したときに安全側へ移行する仕組みと、少ないセンサー情報から行動を決める慎重な制御が必要です。

LEV-2が撮影に成功した仕組み

LEV-2は小ささや玩具開発の技術を生かした外観が注目されやすいものの、本質的な特徴は、月面到達後の変形からSLIMの認識、移動、撮影、画像選別までを自律的に行った点にあります。

着陸機の状態を外部から撮影できれば、SLIM自身のセンサーだけでは分からない機体全体の姿勢や周辺環境を確認できるため、LEV-2の画像には記念写真以上の工学的な価値がありました。

2026年6月にJAXAが公表したLEV-2の解析結果では、新たな月面画像や移動量、動作時間、画像処理回数などが示され、当初より詳しい活動状況が明らかになっています。

球体からの変形

LEV-2はSLIMへ搭載されている間、直径約8センチメートルの球体に近い収納状態となり、月面へ放出された後に左右の車輪、カメラと通信部分、姿勢を支えるスタビライザーを展開します。

球形に近い状態は限られた搭載スペースへ収めやすいだけでなく、月面へ落下した際に特定の面へ強い衝撃が集中しにくく、どの向きで着地しても展開へ移りやすいという利点があります。

段階 LEV-2の状態 目的
搭載時 直径約8センチメートル 省スペース化
放出直後 収納状態で落下 衝撃への対応
着地後 左右の車輪を展開 移動形態へ移行
走行時 カメラ部を使用 認識と撮影
旋回時 左右の車輪を制御 方向の調整

展開後の車輪は中心からずれた軸で回転するため、車輪が小さくても月面の砂へ潜り込みにくい動きを生み出し、機体を前進させたり向きを変えたりできます。

変形機構には部品点数や故障箇所が増える弱点もありますが、収納性と走破性を両立できるため、着陸機へ追加搭載する超小型ロボットに適した方法として実証されました。

画像認識と選別

LEV-2はSLIMの位置を事前に正確に教えられて走ったのではなく、前後に搭載したカメラで周囲を撮影し、画像の中から着陸機らしい特徴を探すことで方向や行動を判断しました。

SLIMの外側には金色に見える断熱材が使われているため、その色や画像内の領域を手掛かりとして着陸機を検出し、相対的な位置を推定する画像処理アルゴリズムが利用されています。

  • 周囲をカメラで撮影する
  • 画像内の特徴を処理する
  • SLIMらしい領域を探す
  • 機体との位置関係を推定する
  • 移動方向や撮影姿勢を決める
  • 送信価値の高い画像を選ぶ
  • LEV-1へデータを渡す

画像をすべてLEV-1へ送るのではなく、機体内で価値を判断して候補を絞ることで、通信量が小さくてもSLIMの状態を確認できる写真を地球へ届けられる可能性が高まりました。

地上で使う画像認識とは照明条件や背景が大きく異なるため、月面に似せた環境での事前試験が重要であり、強い明暗差や未知の地形でも誤認識を抑える設計が撮影成功を支えています。

解析で分かった移動

ミッション直後にはLEV-2がSLIMを撮影して画像を送った事実が大きく報じられましたが、通信データの欠損もあったため、実際にどの程度移動していたかは継続的な解析の対象となっていました。

2026年に公表されたJAXAの研究成果では、フロントカメラとリアカメラで得られた二つの画像に共通する岩石を比較した結果、画像の撮影間に約0.13メートル移動し、約180度旋回したことが裏付けられています。

テレメトリデータからは、LEV-2が月面で少なくとも約108分間動作し、その間に機体内で240回の画像処理を行い、姿勢異常を検知した際には回復動作も実行したことが明らかになりました。

フロントカメラの画像はSLIMから約5.08メートル離れた位置で撮影されたと推定されており、小さなロボットが展開後に対象を認識し、撮影に適した距離まで自律的に行動したことを示す材料になっています。

画像の一部が通信途中で失われているため、活動の全過程を映像のように確認できるわけではありませんが、画像、車輪の動作記録、姿勢情報を組み合わせることで、月面での実際の移動を科学的に推定できます。

2機の連携が月面探査に与えた意味

LEV-1とLEV-2の役割分担は、一台の高性能ローバへあらゆる機能を集める従来型の考え方とは異なり、複数の小型ロボットへ機能を分散させる探査方法の実例になりました。

一台が撮影し、別の一台が通信を担当すれば、それぞれの機体を目的に合わせて小さくできるほか、一部の装置や着陸機本体に問題が起きても別経路から情報を得られる可能性があります。

ただし複数機を使えば自動的に安全性が高まるわけではなく、互いの距離、通信可能時間、電池残量、着地位置のばらつきなどを考慮して、連携が成立する範囲を設計する必要があります。

分散型ロボットの利点

複数の小型ロボットへ役割を分ける最大の利点は、一台ごとの機体を単純化しながら、全体として多様な観測や通信を実現できることです。

大型ローバは高性能な機器を多く搭載できますが、開発費、打ち上げ質量、着陸時のリスクが大きくなるため、短期間に複数地点へ探査機を送りたい場合には小型機の組み合わせが有力な選択肢になります。

視点 複数小型機 単一大型機
機能配置 機体ごとに分担 一台へ集約
搭載の柔軟性 追加しやすい 専用設計が必要
探査範囲 分散しやすい 本体の移動に依存
通信設計 中継網を作れる 直接通信が中心
故障の影響 一部へ限定できる 全体へ及びやすい
連携の難しさ 高い 比較的低い

LEV-1とLEV-2は台数が二台と少なく、広域を群れで探査したわけではありませんが、撮影機と通信機が自律的に連携したことで、将来の分散型探査へつながる基本構成を月面で示しました。

将来は着陸機の周囲へ多数の小型ロボットを放出し、斜面、岩陰、縦穴の入口などを別々に調べ、通信できる機体がデータをまとめる仕組みへの発展が期待されます。

誤解しやすいポイント

LEV-1とLEV-2について調べる際は、番号の違いを性能の上下や新旧の違いと考えないことが重要であり、LEV-2がLEV-1の後継機として置き換わったわけではありません。

2機は同時にSLIMへ搭載され、ほぼ同じタイミングで月面へ放出され、それぞれ異なる機構と役割を使って協力する前提で開発されたロボットです。

  • LEV-2はLEV-1の後継機ではない
  • LEV-1は通信だけの装置ではない
  • LEV-2は地球と直接通信しない
  • SLIMが2機を遠隔操縦したわけではない
  • 2機は着陸後に結合していない
  • SORA-QはLEV-2の愛称である
  • 公表時期で質量表記が異なる

またLEV-1がLEV-2の画像を地球へ送ったことから、LEV-1がLEV-2を遠隔操作したように見える場合がありますが、LEV-2は自分の制御装置で走行や撮影を判断し、LEV-1は主にデータの受け渡しを担当しました。

SLIM本体もLEV-1やLEV-2を着陸後に操縦したわけではなく、2機は分離後に独立して自律動作したため、一般的な着陸機と有線接続された付属カメラとは仕組みが異なります。

将来への応用

LEV-1とLEV-2で得られた知見は、同じ形の機体を再び月へ送るためだけでなく、探査場所に応じて異なる小型ロボットを組み合わせる設計へ応用できます。

たとえば着陸機から見えない岩陰へ撮影ロボットを送り、通信ロボットを見通しの良い場所へ配置すれば、着陸機が直接電波を届けにくい場所からも観測データを集められる可能性があります。

月面の縦穴や急斜面のように大型ローバが近づきにくい場所では、落下や転倒をある程度想定した小型機を複数投入し、一部の機体が取得した情報を中継して持ち帰る方法も考えられます。

LEV-2の球体収納と変形機構は、限られた搭載スペースへ多数の小型機を収める技術につながり、LEV-1の跳躍方式は柔らかな砂や段差を車輪とは異なる方法で越える移動技術につながります。

一方で実用的な広域探査へ発展させるには、より長く使える電源、ロボット同士が離れてもつながる通信網、故障した機体を避けて役割を組み直す制御、取得データを効率的に選ぶ処理能力などの向上が必要です。

2機を理解する鍵は撮影役と中継役の分担

まとめ
まとめ

LEV-1とLEV-2の違いを整理すると、LEV-1は約2.1キログラムの跳躍型ローバとして月面を観測しながら、地球との直接通信とLEV-2のデータ中継を担い、LEV-2は228グラムの変形型ロボットとして車輪で移動し、SLIMの探索と撮影を担ったと説明できます。

LEV-1には一つの大きな車輪とばねを使ったホッピング機構があり、着地後の姿勢を整えて跳ぶ方向を判断する能力がある一方、LEV-2には球体から走行形態へ変わる機構、前後のカメラ、画像認識、送信画像の選別機能がありました。

LEV-2が撮った画像は近距離無線でLEV-1へ送られ、LEV-1がSLIM本体を介さずに地球へ届けたため、2機の関係は親機と予備機ではなく、撮影や認識を得意とする機体と長距離通信を得意とする機体の協力関係です。

この役割分担によって、限られた質量、電力、通信時間の中でも、月面移動、着陸機の外観撮影、画像の自動選別、ロボット間通信、地球への直接送信という複数の技術を一つのミッションで試すことができました。

LEV-1とLEV-2の成果は、小さなロボットでも目的に応じて機能を分け、互いの弱点を補えば価値の高い探査が可能であることを示しており、将来の月や火星では多数の小型機が協力する探査システムへ発展する可能性があります。

タイトルとURLをコピーしました