2026年以降の月探査で次に予定されている主な計画|有人着陸と月南極探査の流れが見える!

2026年以降の月探査で次に予定されている主な計画|有人着陸と月南極探査の流れが見える!
2026年以降の月探査で次に予定されている主な計画|有人着陸と月南極探査の流れが見える!
日本の月探査と未来

2026年以降の月探査では、米国、中国、インド、日本、欧州の宇宙機関に加え、民間企業が開発する月着陸船や探査車も相次いで月へ向かう予定であり、短期間に複数の計画が重なる新しい段階へ入っています。

ただし、2026年4月1日に打ち上げられたアルテミス2はすでに月周回飛行を終えて4月10日に地球へ帰還しているため、2026年6月29日時点で次の予定を調べる場合は、アルテミス2ではなく同年後半の無人着陸計画や2027年以降のミッションを見る必要があります。

今後の注目点は、単に月へ到達できるかどうかではなく、月南極の水氷を調べられるか、着陸地点まで安全に降下できるか、複数の探査車を自律的に運用できるか、宇宙飛行士が使う着陸船や通信網を実証できるかという段階へ移っています。

一方で、月探査の打ち上げ時期はロケット、探査機、着陸船、観測装置、地上設備の準備状況に左右されるため、公式発表に年だけが掲載されていても、その年のうちに必ず実施されるとは限らず、数か月から数年単位で変更されることも珍しくありません。

ここでは、2026年以降に予定される主要な月探査を年代順に整理しながら、それぞれの目的、注目される理由、日本との関係、予定を見る際の注意点まで詳しく紹介します。

2026年以降の月探査で次に予定されている主な計画

2026年6月29日時点で比較的近い時期に予定されているのは、米国の商業月面輸送計画、中国の嫦娥計画、NASAのアルテミス計画、インドと日本が進める月極域探査などです。

2026年内には複数の無人着陸船が月面を目指し、2027年には有人宇宙船と月着陸船の接続試験、2028年には有人月面着陸や月南極の水資源調査が計画されています。

予定年が同じミッションでも、目標が月面着陸、月周回、サンプル回収、有人飛行、通信網構築などに分かれるため、打ち上げ時期だけでなく何を実証する計画なのかを確認することが重要です。

Griffin-1

2026年後半に予定される有力な月探査の一つが、米国Astroboticの大型月着陸船Griffinを使用するGriffin Mission Oneで、月南極に近いノビレ地域への着陸を目指しています。

Astroboticは2026年6月15日の発表で、探査機が最終統合作業を進めており、環境試験と打ち上げ準備を経て2026年後半に打ち上げる予定だと説明しています。

確認項目 公表内容
予定時期 2026年後半
着陸地域 月南極ノビレ地域
着陸船 Griffin
主な搭載物 FLIP探査車など
計画区分 NASAのCLPS

最大の搭載物となるAstrolabのFLIP探査車は、月面での移動、貨物運搬、自律走行に関する技術を実証する役割を持ち、将来の大型月面車や継続的な物資輸送につながるデータの取得が期待されています。

着陸船はロケットで打ち上げられた後も月への航行、軌道修正、障害物回避、降下制御という難しい工程を通過する必要があるため、打ち上げ日の発表後もAstroboticの公式情報で更新を確認するのが確実です。

嫦娥7号

中国の嫦娥7号は2026年ごろの打ち上げが案内されている無人月探査計画で、月南極周辺の地形、物質組成、表面環境、水氷や揮発性物質の分布を総合的に調べることを目指しています。

一台の着陸船だけで観測するのではなく、月周回から広い範囲を見る機体、月面で固定観測する機体、地表を移動する探査車、影の多い場所へ接近する小型探査機を組み合わせる点が大きな特徴です。

  • 月を広域観測する周回機
  • 月南極へ降下する着陸機
  • 地表を移動する探査車
  • 影の領域を調べる小型探査機
  • 複数国が提供する観測装置

月南極には太陽光がほとんど届かない永久影があり、水氷が残っている可能性がありますが、急斜面やクレーター、極端な低温、通信条件の悪さが重なるため、移動式探査機を含む複数の観測手段が必要になります。

中国国家航天局が公表した計画では打ち上げ時期を2026年ごろとしており、日付が確定した計画ではないため、年内の実施を前提にせず最新発表を追う必要があります。

Blue Ghost Mission 2

Firefly AerospaceのBlue Ghost Mission 2は2026年の打ち上げが見込まれている民間月着陸計画で、地球から直接通信しにくい月の裏側へ米国の着陸船を送り、科学観測と通信実証を行います。

着陸船Blue Ghostと軌道輸送機Elytraを組み合わせ、月周回軌道でESAのLunar Pathfinder通信衛星を放出した後、着陸船を月の裏側へ降下させる複合的な構成になっています。

搭載物には宇宙初期の電波を観測するNASAのLuSEE-Night、アラブ首長国連邦のRashid 2探査車、月地下の構造を調べるオーストラリアのSPIDERなどが含まれ、単一国の実験ではなく国際的な輸送便としての性格も持っています。

月の裏側は地球から発生する人工的な電波雑音が遮られるため電波天文学に適していますが、通信衛星がなければ地上局との連絡を維持できないため、Fireflyの公式計画で示される通信中継機能も重要な実証対象です。

IM-3

Intuitive MachinesのIM-3はNASAの商業月面輸送サービスであるCLPSに含まれる無人着陸計画で、月の表側にあるライナー・ガンマと呼ばれる明るい渦状模様の内部を目指します。

ライナー・ガンマには周囲とは異なる磁場が存在し、その磁場が太陽風から月面をどのように守っているのか、明るい模様の形成とどのような関係があるのかは完全には解明されていません。

IM-3には磁場や荷電粒子を調べる観測装置に加え、複数の小型探査車が協力して移動するCADREの実証機が搭載される予定で、地上から一台ずつ細かく操作しなくても複数機が役割を分担できるかが試されます。

NASAは2026年のCLPS計画としてIM-3を掲載していますが具体的な打ち上げ日は確定していないため、NASAのミッション案内と運航会社の発表を併せて確認する必要があります。

アルテミス3

アルテミス3は以前の計画では宇宙飛行士が月面へ降りるミッションとして紹介されることが多かったものの、NASAが2026年に変更した構成では、2027年に地球低軌道で有人試験を行う計画になっています。

SLSロケットで打ち上げるOrion宇宙船と、SpaceXまたはBlue Originが開発する有人月着陸船の試験機を地球周回軌道上で接近させ、ランデブー、ドッキング、通信、推進系、生命維持装置などを確認します。

月面へ向かわないから重要性が低いのではなく、宇宙飛行士を乗せたOrionと民間企業が開発する大型着陸船を安全に接続できるかを先に確かめることで、後続の有人着陸に伴う危険を減らす役割があります。

NASAが2026年6月9日に公表した最新のアルテミス3計画では4人の搭乗員も発表されていますが、試験内容や打ち上げ時期は開発状況に応じて調整される可能性があります。

チャンドラヤーン4

インド宇宙研究機関のチャンドラヤーン4は、月面で採取した試料を地球へ持ち帰ることを目指すインド初の月サンプルリターン計画で、2027年から2028年ごろの打ち上げが予定されています。

月面で砂や岩石を採取するだけでなく、試料を月から離陸させ、月周辺で別の機体へ引き渡し、地球へ帰還させる工程が必要になるため、着陸のみを目的とするチャンドラヤーン3より技術的な難易度が大きく上がります。

地球の研究施設へ持ち帰った試料は、月面に搭載できない大型の分析装置で繰り返し調べられるため、鉱物の年代、月内部の進化、火山活動、宇宙風化などをより精密に検証できる可能性があります。

ISROの公式発表では2027年から2028年の時間枠が示されていますが、着陸地点や打ち上げ日などは今後の審査や試験を経て具体化されます。

LUPEX

LUPEXはJAXAとISROが共同で進める月極域探査で、インド側が開発する着陸機に日本側が開発する大型探査車を搭載し、2028年度にH3ロケットで打ち上げる計画です。

最大の目的は水が存在するかを確認するだけでなく、どの深さに、どのような状態で、どの程度の量が分布しているのかを複数地点で調べ、将来の探査活動に利用できる資源なのかを評価することです。

探査車は月南極を移動しながらレゴリスを掘削し、JAXA、ISRO、NASA、ESAが提供する観測装置を用いて水素、水分、揮発性物質、温度、地中構造などを測定する予定です。

JAXAのLUPEX公式ページでは着陸後3か月半以上の運用が示されており、日本が月面移動、掘削、越夜、資源評価の技術を蓄積する重要な機会になります。

アルテミス4

NASAの現在の計画では、2028年に予定されるアルテミス4がアルテミス計画で最初の有人月南極着陸を担い、宇宙飛行士をアポロ計画以来となる月面活動へ送り出すことになっています。

アルテミス3でOrionと有人着陸船の接続や船内システムを確認した後、アルテミス4では月周辺まで宇宙飛行士を運び、着陸船へ乗り換えて月南極へ降下する段階へ進む流れです。

月面では地質試料の採取、周辺地形の観察、観測装置の設置などが想定されますが、滞在日数、着陸地点、使用する着陸船、宇宙服などは開発の進展に応じて変更される可能性があります。

NASAは2026年2月の計画更新で2028年の着陸を掲げていますが、有人着陸船の無人試験や燃料補給、宇宙服の完成が必要になるため、目標年と確定日を混同しないことが大切です。

嫦娥8号

嫦娥8号は2028年ごろに打ち上げる中国の無人月探査計画で、嫦娥7号による月南極の環境調査を引き継ぎながら、月面資源を実際に利用するための技術実験を進めます。

月の砂であるレゴリスを建設材料として使えるか、現地で利用できる物質を取り出せるか、月面の厳しい温度差や放射線環境で装置を長期間運用できるかといった課題が主な観測対象です。

地球から建材、燃料、水、酸素をすべて運ぶ方法では継続的な月面活動の費用が大きくなるため、現地資源利用の実証に成功すれば、将来の基地建設や補給量削減に直結する可能性があります。

嫦娥7号と嫦娥8号は2035年ごろまでに構築を目指す国際月面研究ステーションの基礎を形成すると説明されており、単独の科学探査ではなく長期的な月面活動へつながる計画として見る必要があります。

年代順に見る月探査の大きな流れ

月探査の予定は個別のミッション名だけを追うより、2026年の無人着陸、2027年から2028年のサンプル回収や有人試験、2029年以降の輸送網整備という年代ごとの流れで見ると理解しやすくなります。

前半の無人探査で着陸精度、通信、移動、水資源、磁場などを確認し、その結果を有人着陸船、月面車、補給機、発電設備、居住設備の設計へ反映するのが現在の基本的な方向です。

各計画は独立して見えても、観測データや輸送技術、通信衛星、測位技術を共有することで、将来の月面活動を支える一つのインフラへ発展する可能性があります。

2026年は無人着陸が集中

2026年後半はGriffin-1、Blue Ghost Mission 2、IM-3、嫦娥7号など複数の無人計画が候補に入り、月南極、月の裏側、磁気異常地域という異なる場所で探査が進む可能性があります。

同じ年に予定されていても観測対象は重複しておらず、輸送能力、自律走行、電波観測、水氷探査、通信中継、磁場測定など役割が分かれています。

計画 主な場所 中心目的
Griffin-1 月南極周辺 大型輸送と移動
嫦娥7号 月南極 水氷と環境調査
Blue Ghost 2 月の裏側 電波観測と通信
IM-3 ライナー・ガンマ 磁場と群ロボット

すべてが予定どおり実施されれば、月の表側、裏側、南極でほぼ同時期に異なる探査が進み、限られた地点の観測から地域ごとの環境を比較する段階へ移れます。

一方で、着陸船の試験やロケットの運航状況によって翌年以降へ移る可能性もあるため、2026年の予定は確定済みの時刻表ではなく、準備が整った計画から順に実施される候補一覧として捉えるのが適切です。

2027年から2028年は目的が拡大

2027年から2028年には、無人着陸だけでなく、有人宇宙船と月着陸船の接続試験、月面試料の地球帰還、有人月面着陸、現地資源利用の実験など、複数の工程を組み合わせる計画が増えます。

月へ到達して観測装置を動かす段階から、人や試料を安全に往復させ、現地の資源や設備を次の活動に利用する段階へ移るため、一つの不具合がミッション全体へ与える影響も大きくなります。

  • アルテミス3の有人接続試験
  • チャンドラヤーン4の試料回収
  • LUPEXの月南極移動探査
  • アルテミス4の有人着陸
  • 嫦娥8号の資源利用実験

この時期の計画は着陸船、上昇機、宇宙船、ロケット、宇宙服、通信網など複数のシステムがそろわなければ成立しないため、個別機器の完成だけで打ち上げ時期を判断できません。

特に有人計画では安全審査を省略できないため、無人実証で問題が見つかった場合に予定を後ろへ動かすことは失敗ではなく、危険を事前に減らすための合理的な判断といえます。

2029年以降は月面インフラへ進む

2029年以降は単発の探査機を送るだけでなく、通信衛星、測位サービス、補給着陸船、大型月面車、発電設備、居住設備などを繰り返し運用する構想が増えていきます。

ispaceは2026年3月に公表した計画で、日本主導の月着陸ミッションを2028年、月極域への高精度着陸を目指す次のミッションを2029年、米国事業の大型着陸計画を2030年に置いています。

ESAも欧州独自の大型月着陸船Argonautを開発し、最初の運用ミッションであるArgoNETを2031年に実施する計画を示しており、科学装置だけでなく探査車や宇宙飛行士向け物資の輸送も想定しています。

2030年代の予定は予算承認や国際協力の進展によって変わりやすいものの、各国の計画に共通するのは、月面への一度限りの到達ではなく輸送、通信、電力、移動を継続的なサービスへ変える方向です。

月南極が探査の主戦場になる理由

2026年以降の計画を見ると、Griffin-1、嫦娥7号、LUPEX、アルテミス4、嫦娥8号など、多くのミッションが月南極またはその周辺を目標にしています。

月南極が選ばれる最大の理由は永久影に水氷が残っている可能性ですが、長く日照を得られる高地、古い地質を調べられる場所、将来の有人活動に利用しやすい環境が近い範囲に集まっていることも重要です。

ただし、月南極は平坦で明るい場所ではなく、影、急斜面、クレーター、低温が複雑に入り交じるため、科学的な価値が高い一方で着陸と走行の難易度も高い地域です。

水氷は生活と燃料に使える

月南極の永久影に水氷が十分な量で存在し、採掘や精製が可能だと確認できれば、宇宙飛行士の飲料水、衛生用水、植物栽培、機器冷却などに使える可能性があります。

さらに水を水素と酸素へ分解すれば、呼吸用の酸素やロケット推進剤の原料として利用できるため、地球から運ぶ物資を減らし、月から別の場所へ移動するための燃料拠点を作れる可能性も生まれます。

利用対象 想定用途
飲料と衛生
酸素 呼吸と酸化剤
水素 燃料と化学利用
氷の分布 基地候補の選定

ただし、観測で水素が検出されたことと、採掘しやすい氷の層が存在することは同じではなく、細かな粒として混ざっている場合や深い位置にある場合は利用に必要なエネルギーが大きくなります。

そのため、嫦娥7号やLUPEXでは存在の有無だけでなく、量、深さ、状態、周辺温度、掘削のしやすさまで調べ、実際の資源として成立するかを判断することが重視されています。

日照条件が電力計画を左右する

月の自転周期は地球時間で約29日半に相当するため、赤道付近では昼と夜がそれぞれ約2週間続き、太陽光発電だけに依存する探査機は長い夜を越えるための蓄電と保温が必要です。

月南極の一部の高地には比較的長い時間太陽光を受けられる場所がある一方、近くのクレーター内部には太陽光がほぼ届かない永久影が存在するため、発電に適した場所と水氷を調べたい場所が分かれます。

  • 日照率の高い場所に発電設備を置く
  • 永久影へ探査車を短時間進入させる
  • 蓄電池で一時的な暗闇を乗り切る
  • 中継機を使って通信を維持する
  • 将来は無線送電も検討する

基地や探査車の設計では、水氷がある可能性だけで着陸地点を決めるのではなく、日照、傾斜、地球との通信、温度、走行経路をまとめて評価しなければなりません。

科学的に魅力的な永久影へ直接着陸すると発電や通信が難しくなるため、明るく安全な場所へ着陸してから探査車や小型ロボットを送り込む構成が多く採用されています。

古い地質が残されている

月南極には巨大衝突で形成された南極エイトケン盆地に関係する地域があり、月の表面近くでは通常見つけにくい深部由来の物質や、太陽系初期の衝突履歴を記録した地層が露出している可能性があります。

月には地球のような活発な風雨やプレート運動がないため、古い衝突や太陽風の影響が地表に長期間残り、採取した岩石の年代を調べることで地球を含む内側の太陽系がどのように変化したかを推定できます。

永久影に保存された揮発性物質には、彗星、小惑星、太陽風、月内部からの放出物など複数の起源が考えられ、その同位体や化学組成を調べれば水が月へ運ばれた過程を検証できます。

資源として使えるかどうかだけに注目すると科学的価値を見落としやすいため、月南極探査は将来の基地候補調査であると同時に、太陽系の歴史を調べる惑星科学ミッションでもあります。

予定表を読むときに外せない注意点

月探査の予定を調べる際は、検索結果に表示された年や過去の記事だけで判断すると、すでに変更された日程や以前のミッション構成を最新情報だと誤認することがあります。

特にアルテミス3やispaceの次期計画のように、ミッション番号や目的、打ち上げ年が大きく変更された例では、古い解説記事と現在の公式発表で内容が異なります。

予定を正しく理解するには、日程の確度、打ち上げ後の工程、発表元、更新日を分けて確認する必要があります。

予定年は確定日ではない

公式ページに2026年や2028年と書かれていても、それは開発チームが目指している時間枠であり、ロケットの打ち上げ日時まで確定した状態とは限りません。

月へ向かえる軌道には一定の条件があり、機体の準備が数週間遅れただけでも次の打ち上げ機会まで待つ必要があるため、地球周回衛星より予定変更の影響が大きくなる場合があります。

表現 受け取り方
予定 変更の可能性あり
目標 開発上の希望時期
打ち上げ枠 実施可能な期間
打ち上げ日 条件により延期あり
着陸日 航行後に最終判断

有人飛行では無人飛行以上に安全審査が厳しく、着陸船、宇宙服、生命維持装置、通信、帰還手段のどれか一つでも基準を満たさなければ延期されます。

予定変更を予測の失敗として見るのではなく、目標年、打ち上げ枠、正式な打ち上げ日という確度の異なる情報が順番に発表されるものとして読むと混乱を避けられます。

打ち上げと着陸は別の段階

月探査機がロケットで地球を離れた時点ではミッションは始まったばかりで、その後に機体の起動、通信確認、軌道修正、月周回軌道への投入、着陸地点への降下が続きます。

燃料を節約する軌道を使う場合は月まで数週間から数か月かかることがあり、相乗り打ち上げでは主衛星を放出した後に長い経路で月へ向かうこともあります。

  • ロケットによる打ち上げ
  • 探査機の分離と起動
  • 月へ向かう軌道への移行
  • 月周回軌道への投入
  • 着陸地点への降下
  • 月面での観測開始

着陸に成功しても機体が傾く、通信アンテナが地球を向かない、太陽電池に光が当たらないといった問題で予定した観測を行えない場合があるため、成功という言葉がどの段階を指すのか確認する必要があります。

ニュースを見る際は打ち上げ成功、月到達、軟着陸、探査車展開、科学観測という成果を分けて捉えると、ミッションの達成度を正確に判断できます。

最新情報は一次発表で確認する

月探査の情報源として最も優先したいのはNASA、JAXA、ISRO、CNSA、ESAなどの宇宙機関と、着陸船や探査機を実際に開発する企業の公式発表です。

宇宙機関のページは科学目的や契約上の予定を確認しやすく、企業のページは機体の組み立て、試験、輸送、ロケットとの統合など直近の進捗を把握しやすいという違いがあります。

一方で公式ページでも更新時期に差があり、NASAのCLPS一覧に以前の予定が残る一方、事業者が新しい日程を発表している場合もあるため、複数の一次情報の日付を比較することが大切です。

検索結果の見出しだけで判断せず、ページの公開日、最終更新日、予定を表す言葉、後から出た公式発表の有無まで確認すると、すでに変更された情報を引用する失敗を減らせます。

日本が関わる月探査の現在地

日本の月探査はJAXA単独の探査機だけで構成されるのではなく、インドとの共同探査、米国主導のアルテミス計画、月周回拠点Gateway、民間企業による輸送サービスという複数の経路で進んでいます。

SLIMで実証した高精度着陸に続き、今後は月南極を移動して水を調べる技術、宇宙飛行士が滞在する設備、月周辺の補給と通信、民間着陸船による貨物輸送が重要になります。

日本人宇宙飛行士の月面活動だけに注目するのではなく、その前段階で日本の機器や企業がどのような役割を担うのかを見ると、月探査への関わりをより具体的に理解できます。

LUPEXで水資源を見極める

日本が主導的に関わる直近の大型月探査は2028年度に予定されるLUPEXで、JAXAが探査車、ISROが着陸機、三菱重工が探査車システムなどを担当します。

月南極を一地点だけで観測するのではなく、探査車が複数の地点へ移動して地下を掘削することで、水の分布が場所によってどれほど変わるのかを比較できる点が重要です。

項目 計画内容
打ち上げ 2028年度
ロケット H3
着陸機 ISRO担当
探査車 日本側担当
運用期間 3か月半以上
主目的 月の水資源調査

NASAの中性子検出器やESAの観測装置も搭載されるため、日印だけの二国間計画ではなく、各機関が得意な測定方法を持ち寄る国際共同探査になっています。

LUPEXで得られる水氷の量、深さ、移動経路、日照条件のデータは、将来の有人着陸地点、発電設備、資源採掘装置、月面車の設計を検討する基礎情報として利用される可能性があります。

Gatewayの居住と補給を支える

Gatewayは月の近くを周回する小型宇宙ステーションとして計画され、月面へ向かう宇宙飛行士の中継、科学観測、通信、補給、将来の火星探査に向けた技術実証に使われます。

日本は国際居住棟Lunar I-Habの環境制御、生命維持、熱制御、カメラなどに関わるほか、各モジュールで使用するバッテリーや補給機HTV-XGを提供する予定です。

  • 居住棟の生命維持機能
  • 温度を管理する熱制御
  • 各モジュール用バッテリー
  • 船内外を確認するカメラ
  • HTV-XGによる物資補給

月周辺では地球低軌道より放射線が強く、緊急時に短時間で帰還できないため、空気、温度、電力、故障検知を安定して維持する技術が宇宙飛行士の安全を左右します。

Gatewayの組み立て時期やアルテミス計画内での使用方法は変更される可能性がありますが、日本が提供する居住技術と補給技術は長期的な有人月探査を支える基盤として位置付けられています。

ispaceは計画を再編している

日本の民間企業ispaceは過去の月着陸ミッションで得たデータを踏まえ、着陸船の設計と事業計画を再編し、2026年3月に新しいミッション日程を公表しました。

最新計画では月周回通信衛星を運ぶMission 2.5を早ければ2027年、日本側が開発する月着陸Mission 3を2028年、高精度な月極域着陸を目指すMission 4を2029年に予定しています。

従来はispaceの米国事業によるAPEX 1.0着陸船が早い時期にNASAの観測装置を運ぶ計画でしたが、統合型着陸船ULTRAへの変更に伴い、米国主導のMission 5は2030年へ移す案が示されています。

ispaceの2026年3月発表より古い記事には以前のミッション番号や2026年から2027年の予定が残っているため、同社の次の着陸予定を調べる際は最新の日程表を基準にする必要があります。

月探査の次の予定は短期の無人探査から有人着陸へ続く

まとめ
まとめ

2026年6月29日時点で次に注目したいのは、2026年後半を目標とするGriffin-1、Blue Ghost Mission 2、IM-3、2026年ごろとされる嫦娥7号などの無人探査であり、月南極、月の裏側、磁気異常地域に関する新しいデータが期待されています。

その後は2027年のアルテミス3による有人宇宙船と月着陸船の接続試験、2027年から2028年のチャンドラヤーン4による試料回収、2028年度のLUPEX、2028年のアルテミス4と嫦娥8号へつながります。

各計画に共通するのは、単に月へ着陸することではなく、水氷の資源価値、自律走行、通信中継、試料の地球帰還、有人着陸船、現地資源利用など、継続的な活動に必要な技術を一つずつ確かめる点です。

予定年は開発や安全審査によって変わる可能性があるため、検索時には発表日が新しい宇宙機関と開発企業の公式情報を確認し、打ち上げ、月到達、着陸、観測開始を分けて追うと、2026年以降の月探査の流れを正確に把握できます。

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