ISSにある日本実験棟「きぼう」を見てみたいと思っても、通過時刻だけを確認した状態では、どちらの空を見上げればよいのか分からず、明るい光を探しているうちに観測時間が終わってしまうことがあります。
ISSは数分ほどで空を横切るため、観測を成功させるには、見え始める時刻だけでなく、出現する方角、最大仰角、移動する方向、見え終わる位置まで事前に把握しておくことが重要です。
スマートフォンのアプリやブラウザサービスを使えば、現在地に合わせた通過予測を確認でき、通知、方位表示、スカイチャート、AR表示などを利用して、初めてでも探す場所を絞り込めます。
ここでは、2026年6月時点で利用を確認できるサービスを中心に、ISSと「きぼう」の見る方角が分かる候補、表示された方角と仰角の読み方、観測前の設定、見つからない原因、撮影時の注意点まで具体的に紹介します。
ISS「きぼう」の見る方角がわかるアプリ7選

最も手軽なのは、日本国内の観測地点に合わせて予報を確認できる「#きぼうを見よう」ですが、通知を重視する場合や、スマートフォンを空に向けて位置を探したい場合は、専用アプリも便利です。
アプリによって、方角を文字で示すもの、空の図で軌道を表示するもの、ARで通り道を重ねるもの、天気予報までまとめて確認できるものがあるため、自分が迷いやすいポイントに合わせて選ぶ必要があります。
なお、地上から肉眼で見えるのは「きぼう」だけを切り分けた姿ではなく、「きぼう」が取り付けられている国際宇宙ステーション全体が太陽光を反射して移動する明るい点です。
#きぼうを見よう
#きぼうを見ようは、JAXAの支援のもとでKIBO宇宙放送局が運営しているISS可視情報サービスで、日本の都市から見える日時、見え始め、最大仰角、見え終わり、方位角などを日本語で確認できます。
アプリストアからインストールする形式ではありませんが、スマートフォンのブラウザで現在地を選び、ホーム画面へ追加しておけば、一般的なアプリに近い感覚で素早く予報を開けます。
特に便利なのがARきぼう予報で、スマートフォンを空にかざすとISSが進む経路を画面上で確かめられるため、北西や南東といった文字だけでは実際の方向を判断しにくい人に向いています。
全国的に見やすい通過が一覧で示されるだけでなく、地域ごとの詳細画面では、見え始めから見え終わりまでの時刻と方角を追えるので、初めて観測する人は最初に確認しておきたい候補です。
一方で、通知を常時受け取る専用アプリとは使い方が異なるため、観測日を忘れやすい場合は、予報を確認した時点でスマートフォンのカレンダーやアラームにも時刻を登録すると見逃しにくくなります。
Spot the Station
Spot the StationはNASAが提供する公式アプリで、現在地付近におけるISSの可視通過予定、通過時間、見える長さ、最大高度、現れる方向、消える方向などを確認できます。
iPhoneとAndroidの両方に対応し、観測機会が近づいたときに通知を受け取れるため、毎日予報ページを確認するよりも、見える可能性がある日だけ準備したい人に適しています。
AR Viewでは、端末のカメラとセンサーを使ってISSの通り道を空に重ねられるため、コンパスの方角や仰角の数値を読むことに慣れていなくても、出現位置を視覚的に把握できます。
NASAによると、アプリは表示時刻、可視時間、地平線からの最大高度、出現方向、消失方向を示しますが、方角はおおまかに丸められることがあるため、表示された一点だけを凝視せず周囲を広めに探すことが大切です。
AR機能の精度は端末の電子コンパスやジャイロセンサーの状態にも左右されるので、建物や自動車などの金属から少し離れ、表示に違和感がある場合はコンパスを調整してから利用しましょう。
ISS Detector
ISS Detectorは、ISSが見える可能性のある通過を一覧で確認し、観測時刻の数分前に通知を受け取れる衛星観測アプリです。
通過ごとに方位、仰角、明るさ、見える時間などを確認できるため、単にISSが近くを飛ぶ時刻ではなく、肉眼で観測しやすい通過を選びたい人に向いています。
天気の状態も併せて確認できる点が便利で、最大仰角が高く条件のよい通過であっても、雲が多く実際には見えそうにない場合を事前に判断しやすくなります。
Android版とiPhone版がありますが、ストアや端末によって表示言語、無料で使える範囲、広告、追加機能の扱いが異なる可能性があるため、インストール前に最新の掲載内容を確認してください。
通知を利用する場合は、アプリ内でアラームを設定するだけでなく、スマートフォン本体の通知許可、省電力設定、バックグラウンド動作の制限も確認し、直前になって通知が止まらないように準備する必要があります。
Satellite Tracker
Satellite Trackerは、ISSを含む人工衛星の通過予測、接近通過までのタイマー、通知、地球上の軌道、空での位置を視覚的に確認できるアプリです。
ISSが空を移動し始める前にアラートを受け取り、アプリを開いて案内された方向へ端末を向ける流れが分かりやすく、数値中心の予報画面が苦手な人にも使いやすい構成です。
地球を周回する軌道を3Dで眺められるため、今ISSがどの地域の上空にいて、これから自分の観測地点へ近づいてくるのかを理解しながら待てます。
ISSは基本的な対象として利用できますが、ほかの衛星、広告の非表示、追加表示などにはサブスクリプションが関係する場合があるため、無料体験を始める際は更新条件と解約方法を確認しましょう。
観測だけが目的なら多くの衛星を一度に表示する必要はなく、対象をISSに絞って通知する通過も選別すると、情報が増えすぎて本当に見たい予定を見落とす失敗を防げます。
Heavens-Above
Heavens-Aboveは、ISSだけでなく、肉眼で見える人工衛星やアマチュア無線衛星などの通過予測を詳しく確認したい人に向くサービスです。
ライブスカイチャート、地上軌道、通過時刻、方角、最大仰角などを表示でき、見え始めから最高点を通って見え終わるまでの経路を星空の中で確認できます。
情報量が多いため初心者にはやや難しく見える場合がありますが、東西南北だけでなく、時刻ごとの細かな位置を把握したい人や、ISS以外の人工衛星も継続して観察したい人には役立ちます。
Androidでは専用アプリを利用でき、iPhoneなどではHeavens-Aboveのウェブ版をブラウザから開いて観測地点を設定する方法が現実的です。
位置情報が未設定のままだと別の地域の予測が表示されるおそれがあるため、都市名、緯度経度、タイムゾーンが日本の観測地点に合っていることを最初に確認してください。
ISS Live Now
ISS Live Nowは、ISSからの地球ライブ映像、リアルタイムの現在位置、通過予測、可視通過の通知などを一つのアプリで楽しめるサービスです。
観測支援機能には、通過する時刻と方角を確認する表示に加え、端末を空へ向けてISSを探す3D表示が用意されているため、予報から実際の観測までを同じアプリ内で進められます。
ISSが自分の地域へ近づく様子を地図で見ながら待てるので、単に時刻を確認するだけでなく、宇宙ステーションそのものへの興味を深めたい人や、子どもと一緒に観察したい家庭にも適しています。
ライブ映像が暗くなったり途切れたりすることがありますが、ISSが地球の夜側を飛んでいる場合や通信状況によるものであり、地上から見える通過予測が直ちに間違っていることを意味しません。
機能が豊富な分、観測時に必要な画面へ迷う可能性もあるため、当日になる前に通過予測、通知、空の位置を示す画面の開き方を一度試しておくと安心です。
GoISSWatch
GoISSWatchは、iPhoneやiPadでISSの現在位置、3D地球儀、地図上の軌道、頭上の空を示すビュー、可視通過予測、通過通知などを利用できるアプリです。
空のどの位置をISSが通るのかを図で確認しやすく、端末の位置情報または都市リストを使って観測地点を設定できるため、iPhoneでISS専用の比較的シンプルな候補を探している人に向いています。
可視通過と24時間以内の通過を区別して確認できるので、上空を通るものの太陽光が当たらず見えない時間と、肉眼で観測できる可能性のある時間を混同しにくくなります。
軌道データを更新すると、一部の追跡表示は通信がない状態でも利用できますが、予測精度を保つためには観測前にインターネットへ接続し、最新データを取得しておく必要があります。
英語表示を含む画面に慣れが必要な場合は、「rise」が見え始め、「maximum elevation」が最大仰角、「set」が見え終わりを示すという基本語を押さえておくと利用しやすくなります。
アプリに表示される方角の読み方

ISSの予報には、北西、南南西、方位角、仰角、最大仰角など、普段の生活ではあまり使わない項目が並ぶため、数値を見ても実際の空を想像できないことがあります。
最低限確認する項目は、見え始める方角、見え始める時刻、最大仰角、見え終わる方角の四つであり、現在位置の世界地図だけを見ても地上から見える方向は判断できません。
予報画面を当日に初めて読むのではなく、前日までに自宅や観測場所から東西南北を確認し、どの建物の上から現れてどちらへ移動するのかを具体的にイメージしておきましょう。
見え始めの方角を優先する
観測時に最初に見るべき項目は、最大仰角ではなく、ISSが見え始める方角と時刻であり、表示された時刻の少し前からその方向の低い空を広く見渡します。
たとえば「19時32分、北西から見え始め、南西を通り、南東で見え終わる」と表示された場合は、19時30分ごろまでに北西側が開けた場所へ移動し、北西から南東へ視線を動かせる状態を作ります。
- 北は地図の上側を目安にする
- 東は太陽が昇る側を目安にする
- 南は北の反対側に当たる
- 西は太陽が沈む側を目安にする
- 北西は北と西の中間に当たる
- 南東は南と東の中間に当たる
ただし、季節や地形によって日の出と日の入りの位置は真東や真西からずれるため、太陽の位置だけで厳密な方角を決めず、スマートフォンのコンパスや地図も併用してください。
ISSは突然点灯するように見えたり、途中で消えたりする場合もあるため、見え始めの時刻を過ぎても一点だけを凝視せず、予測経路の前後を含めて空全体をゆっくり探すことが大切です。
最大仰角で見やすさを判断する
仰角は地平線を0度、頭の真上を90度として、対象がどれくらい高い空を通るかを示す数値であり、最大仰角が高いほど建物や山に隠れにくくなる傾向があります。
腕を伸ばした状態では、握りこぶし一つ分がおおむね10度の目安になるため、地平線からこぶし三つ分なら約30度、頭上に近づくほど60度から90度と考えると位置を想像しやすくなります。
| 最大仰角 | 空での位置 | 観測時の考え方 |
|---|---|---|
| 10度未満 | 地平線近く | 障害物の影響が大きい |
| 10度から30度 | 低めの空 | 開けた方向を選ぶ |
| 30度から45度 | 見上げやすい高さ | 市街地でも狙いやすい |
| 45度から70度 | 高い空 | 好条件になりやすい |
| 70度から90度 | ほぼ頭上 | 足元にも注意する |
最大仰角が低い通過でも、海岸、河川敷、高台など地平線近くまで見渡せる場所では観測できる可能性がありますが、住宅地では屋根や電線に隠れて見える時間が短くなります。
反対に最大仰角が高くても、雲が厚い、周囲が明るすぎる、見え始める方向が建物で塞がれていると見つけにくいため、仰角だけで成功を断定せず天気と観測環境も確認しましょう。
方位角とコンパスのずれを補正する
方位角は北を0度として時計回りに測る角度で、東が90度、南が180度、西が270度となり、北東は45度、南東は135度、南西は225度、北西は315度付近です。
予報に「方位角295度」と表示された場合は西北西付近を意味しますが、観測中に1度単位で合わせる必要はなく、その方向を中心に数十度ほどの範囲を広く眺めるほうが見つけやすくなります。
スマートフォンの電子コンパスは、自動車、鉄柵、マンホール、スピーカー、磁石付きケース、モバイルバッテリーなどの影響を受け、実際とは異なる方向を示す場合があります。
地図で分かる道路や建物の向きとコンパス表示を照らし合わせ、表示が不自然に回転する場合は金属から離れ、端末の案内に従って調整してください。
ARで示された軌道も端末のセンサー情報を利用しているため、画面だけを絶対視せず、予報に書かれた見え始めの方角、最大仰角、見え終わる方角と一致しているかを確認すると見当違いを防げます。
目的に合うアプリの選び方

ISS観測アプリは多機能なほど使いやすいとは限らず、初めて見る人と、人工衛星を継続観測したい人では必要な機能が異なります。
初観測では日本語の予報とAR表示が役立ち、見逃し防止では通知、撮影計画では秒単位の時刻や経路、家族で楽しむ場合は画面の見やすさが重要です。
アプリを複数入れる場合も、通知用と方角確認用の二つ程度に役割を分け、異なる予報が表示されたときは観測地点、時刻、更新日時が一致しているかを確認しましょう。
使い方から候補を絞る
日本国内で初めてISSを探すなら「#きぼうを見よう」を基準にし、通知が必要ならSpot the StationやISS Detectorを併用する方法が分かりやすい選択です。
数値よりも画面上の案内を見たい人にはARやスカイビューを備えたアプリが向き、複数の衛星を調べたい人にはHeavens-AboveやSatellite Trackerが適しています。
| 主な目的 | 候補 | 重視する機能 |
|---|---|---|
| 初めて観測する | #きぼうを見よう | 日本語予報とAR |
| 通知を受けたい | Spot the Station | 可視通過アラート |
| 天気も確認したい | ISS Detector | 予報と気象表示 |
| 軌道を視覚化したい | Satellite Tracker | 3D表示とタイマー |
| 衛星観測を深めたい | Heavens-Above | 詳細な経路情報 |
| ライブ映像も楽しみたい | ISS Live Now | 映像と追跡機能 |
| iPhoneで専用表示を使う | GoISSWatch | 空のビューと通知 |
どの候補でも、観測地点に基づく通過予測が表示されることが最優先であり、ISSの現在位置を世界地図に表示するだけのアプリでは、自分の場所から肉眼で見えるかを判断できません。
無料で始められるアプリにも広告や有料機能が含まれる場合があるため、方角確認だけが目的なら、不要な試用登録をせず基本機能で足りるかを先に確かめましょう。
必要な機能を確認する
観測を成功させるために最低限必要なのは、位置別の可視通過予測、見え始めの時刻、出現方向、最大仰角、見え終わる方向であり、現在地の追跡表示だけでは不十分です。
見逃すことが多い人は通知、方角が苦手な人はAR、雲の状況まで一画面で判断したい人は天気表示、撮影を考えている人は秒単位の経路表示を優先してください。
- 現在地別の可視通過予測
- 見え始めと見え終わりの方角
- 最大仰角と見える長さ
- 通過前のプッシュ通知
- スカイチャートまたはAR表示
- 軌道データの更新日時
- 位置を手動指定できる機能
- 天気や雲量を確かめる機能
位置情報を許可したくない場合は、都市名や緯度経度を手動設定できるサービスを選べば利用できますが、旅行先や移動先では観測地点を変更し忘れないように注意が必要です。
通知は便利である一方、アプリがすべての上空通過を知らせるのではなく、太陽光、空の暗さ、仰角などを考慮した可視通過だけを知らせる場合があるため、通知がない日にもISS自体は地球を周回しています。
端末と利用環境を考える
iPhoneとAndroidでは同じ名称のアプリでも提供状況や機能が異なる場合があり、Heavens-AboveのようにAndroidアプリとウェブ版を使い分けるサービスもあります。
AR表示にはカメラ、位置情報、電子コンパス、ジャイロセンサーなどが必要で、古い端末や一部の低価格端末では、ARメニューが表示されなかったり方向が安定しなかったりする可能性があります。
山間部や通信の不安定な場所で観測する場合は、出発前に予報画面を保存し、見え始めの時刻、方角、最大仰角、見え終わる位置をメモしておくと、現地で通信できなくても対応できます。
家族のスマートフォンを複数使う場合は、各端末のコンパス表示を比較するとずれに気づきやすく、片方を時刻確認、もう片方をAR表示に使うと画面を切り替える手間も減らせます。
観測予報は軌道変更やデータ更新によって変わる可能性があるため、数週間前に保存した情報だけで判断せず、できる限り前日と当日に最新の予測を確認してください。
観測前に済ませたい設定と手順

アプリをインストールしただけでは、位置情報が別の都市になっていたり、通知が無効だったりして、正しい通過予測を受け取れないことがあります。
観測予定日の前日までに位置、時刻、通知、コンパスを確認し、当日は見え始める方向が開けた場所へ早めに移動することが成功への近道です。
ISSは肉眼で十分に見えるため望遠鏡を用意する必要はなく、むしろ視野の狭い機材を最初からのぞくより、広い空を肉眼で探したほうが見つけやすくなります。
前日までに設定する
最初にアプリの観測地点を確認し、自宅ではなく実際に見る公園、河川敷、旅行先などへ設定して、端末のタイムゾーンが日本時間になっていることを確かめます。
次に、可視通過の一覧から最大仰角が比較的高く、数分程度見える予定を選び、見え始める時刻の10分から15分前に通知が届くよう設定します。
- 観測地点を正しく設定する
- 端末の時刻を自動設定にする
- アプリの通知を許可する
- 省電力による制限を確認する
- カメラと位置情報を許可する
- コンパスの方向を確かめる
- 天気と雲量を確認する
- 経路画面を保存しておく
スマートフォン本体の時刻が数十秒ずれているだけでも、短い可視時間では探し始める位置が変わるため、手動で時計を合わせるよりネットワークの自動時刻設定を利用するほうが安全です。
通知が有効でも、集中モード、サイレント設定、バッテリー最適化によって音が鳴らない場合があるため、重要な通過は別のアラームにも登録して二重に備えましょう。
観測10分前から準備する
観測場所には見え始めの10分ほど前に到着し、街灯が直接目に入らず、予報された出現方向に高い建物や樹木が少ない位置を選びます。
アプリを開いて予報が更新されていることを確かめた後、コンパスで見え始める方角を特定し、最大仰角に合わせて視線を動かす範囲を確認します。
| 時間 | 行うこと | 注意点 |
|---|---|---|
| 10分前 | 観測場所へ移動 | 方角の障害物を確認 |
| 5分前 | 経路と時刻を再確認 | 画面の明るさを下げる |
| 2分前 | 見え始めの方向を見る | 低い空を広く探す |
| 通過中 | 肉眼で光を追う | 足元を見失わない |
| 通過後 | 時刻や経路を記録 | 次回の予報と比較する |
暗い場所で明るいスマートフォン画面を見続けると目が暗さに慣れず、ISSの光を見つけにくくなるため、必要な確認を済ませたら画面の明るさを下げてください。
複数人で見る場合は、一人が時計とアプリを確認し、ほかの人が見え始める方向を広く探す役割に分かれると、低い位置から現れる瞬間を捉えやすくなります。
明るく動く点を肉眼で追う
ISSは条件がよいと非常に明るく見え、星のような光の点が点滅せず、一定方向へ滑らかに移動していくように見えることが一般的です。
飛行機は赤色や緑色の灯火が点滅し、進行方向によって明るさや音が変わりますが、ISSは通常、白っぽい光が静かに空を横切り、数分ほどで反対側へ進みます。
見え始める予定時刻になっても見つからない場合は、地平線付近だけでなく少し高い空まで視線を広げ、予報された進行方向に沿って明るい点が移動していないか確認してください。
ISSが地球の影へ入る通過では、空の途中で急に暗くなって消える場合があり、消えた場所で待ち続けても再び現れないことがあります。
最初に肉眼で位置を特定してから双眼鏡やカメラへ持ち替えると追いやすくなりますが、高倍率の望遠鏡は視野が狭く高速で動くISSを導入しにくいため、初心者の観測には必須ではありません。
見えない原因と撮影時の注意点

予報どおりの時刻に空を見てもISSが見つからない場合は、アプリの誤差だけでなく、雲、障害物、方角の勘違い、位置情報のずれ、明るい画面への順応など複数の原因が考えられます。
一度失敗しても、見えなかった原因を記録して次の通過で改善すれば、方角の感覚やアプリの読み方が身につき、成功する可能性は高まります。
写真や動画を撮る場合も、撮影操作だけに集中すると肉眼で見る機会を失うため、初回は観察を優先し、慣れてから撮影へ進む方法がおすすめです。
見つからない原因を切り分ける
最も多い原因は雲であり、地上が晴れているように感じても、ISSが通る方角に薄い雲が広がっていると光が弱まり、肉眼では見つけられない場合があります。
次に確認したいのが観測地点で、アプリに以前の旅行先や離れた都市が登録されていると、時刻も方角も実際の空とは合わなくなります。
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 方向が全く合わない | 観測地点の設定違い | 現在地と都市名を確認 |
| AR表示が回転する | コンパスへの磁気影響 | 金属から離れて調整 |
| 空の途中で消えた | ISSが地球の影へ入った | 経路表示を確認する |
| 予報時刻に見えない | 雲や低い仰角 | 別の通過を選ぶ |
| 通知が届かない | 端末の通知制限 | 権限と省電力を確認 |
| 飛行機しか見つからない | 探す範囲が狭い | 経路全体を広く見る |
可視通過ではなく、昼間の通過やISSに太陽光が当たらない通過を見ている可能性もあるため、単なる上空通過ではなく、肉眼で見える予測として掲載されているかを確かめてください。
複数のサービスで予測が異なる場合は、各サービスの軌道データ更新日時と観測地点を確認し、当日に更新された予報を優先すると判断しやすくなります。
スマートフォンで撮影する
スマートフォンでISSを撮影すると、肉眼では明るく見えていても、写真には小さな点や短い線として写ることが多く、拡大した形を手持ち撮影するのは簡単ではありません。
静止画ではスマートフォンを三脚などで固定し、夜景モードや長時間露光を使って空を横切る光跡を記録する方法が現実的ですが、機種によって設定できる時間や明るさが異なります。
- 撮影前にレンズを拭く
- 三脚や固定具を使用する
- デジタルズームを控える
- 予測経路を画角に入れる
- 街灯を画面から外す
- 露出を事前に試す
- 十分な空き容量を確保する
- 肉眼で見る時間も残す
動画ではISSを画面中央に保つことが難しいため、広角側で空を広めに撮り、明るさをISS付近に合わせすぎず、通過方向へゆっくり端末を動かします。
初回から撮影と観測を一人で同時に行うより、固定したスマートフォンで広い空を撮影しながら肉眼で観察するか、同行者と撮影役を分けるほうが思い出を残しやすくなります。
安全と周囲への配慮を忘れない
ISSが高い空を通ると、光を追ううちに後ろへ歩いたり、道路へ近づいたりすることがあるため、観測を始める前に足元と周囲の安全を確保してください。
夜間の公園、河川敷、海岸、高台では、段差、水辺、斜面、自転車、自動車などに気づきにくくなるので、暗闇を歩くためのライトを用意し、通過中は無理に移動しないことが大切です。
私有地、立入禁止区域、集合住宅の共用部分、道路上へ入り込まず、住宅地では大声や長時間の滞在を避け、撮影時に周囲の人や住居が映り込まないよう配慮しましょう。
子どもと観察する場合は、大人が観測場所を先に確認し、ISSを追って走らないことや、スマートフォンを見ながら移動しないことを伝えておく必要があります。
寒暖差が大きい季節には、防寒、虫よけ、水分補給なども準備し、天候が悪化した場合や雷が近い場合は、予報が好条件でも観測を中止してください。
方角と時刻を準備してISS観測を楽しもう
ISSにある「きぼう」を肉眼で見るには、現在地に合った可視通過予測を選び、見え始める時刻、出現する方角、最大仰角、見え終わる方向を順番に確認することが基本です。
日本語で手軽に調べたい場合は「#きぼうを見よう」とARきぼう予報が使いやすく、通知を重視する場合はSpot the StationやISS Detector、詳細な衛星情報を求める場合はHeavens-Aboveなどが候補になります。
観測日には10分ほど前から現地で準備し、スマートフォンの画面だけを見続けず、予報された見え始めの方向から進行方向へ広く空を眺めると、滑らかに移動する明るい光を見つけやすくなります。
アプリのARやコンパスには端末ごとのずれがあり、雲や建物によって見えない場合もあるため、一度の失敗で判断せず、条件のよい別の通過で試しながら、自分の観測場所から方角を読む感覚を身につけましょう。


